夜勤介護マンの日記

介護現場で感じたことを、体験ベースで書いています

居室に入ったら床も見る。夜間巡視で水たまり・便、そしてチョコマフィンに騙された話

この記事は、夜勤介護マンが実際の介護現場で経験した出来事をもとに書いています。個人や施設が特定されないよう配慮しており、確認できていない利用者さんの情報は書いていません。巡視の方法や、床の汚れを見つけたあとの手順は施設によって異なります。
夜勤の現場

居室に入ったら床も見る。夜間巡視で水たまり・便、そしてチョコマフィンに騙された話

巡視で見るのは寝ている利用者さんだけやない。足元に何があるかも、同じくらい見なアカン

夜勤介護マン|現役介護職・介護現場歴約20年

夜間巡視、と聞いてどんな場面を思い浮かべるやろか。

たぶん多くの人が想像するのは、暗い居室に静かに入って、ベッドで寝ている利用者さんの様子を確認して、また出ていく。そういう場面やと思う。

それは間違いやない。巡視の中心が利用者さんの状態確認なのは、そのとおりや。

ただ、実際に夜勤をやっていると、見なアカンのはそこだけやないという感覚になってくる。

ワイの場合、居室に入った瞬間に、足元の床も見るようになった

なんでかというと、床に何かがある夜があるからや。

床に尿がたまって、水たまりみたいになっていることがある。便が落ちていることもある。物が落ちていることもある。

そして、これは正直に書いておくけど、床にある茶色い物を見て「便や」と思って近づいたら、実際はおやつのチョコマフィンやった、ということもあった。

この記事では、その「床」という一点にしぼって書く。

夜間巡視の全体的な話やなくて、居室に入った時に足元をどう見ているか、そこに何があったか、なんでそれを見る必要があるのか。そこだけを掘り下げる。

▷ この記事で分かること

  • 夜間巡視で利用者さん本人だけを見ていたら足りない理由
  • 居室に入った瞬間、どこへ目を向けているか
  • 利用者さんが寝ていても、床の確認が必要になる場面
  • 床に放尿されて水たまりのようになっていた実体験(有料部分)
  • 床に便が落ちていた実体験(有料部分)
  • 便やと思ったらチョコマフィンやった話(有料部分)
  • 長く夜勤をするうちに「見る場所」が増えていったこと

夜間巡視で見るのは、利用者さんだけやない

夜間巡視で何を見ているか。まずそこから書く。

中心にあるのは、当然ながら利用者さん本人の状態や。息をしているか。掛け布団はどうなっているか。いつもと違う体位になっていないか。苦しそうな様子はないか。眠れずに起きていないか。

ここを外したら巡視の意味がなくなる。それは間違いない。

ただ、実際に居室へ入ると、視界に入るのは利用者さんだけやない。ベッドの柵の位置、ベッド周りに置いてあるもの、ナースコールの位置、それから床。ひと部屋に入るあいだに、確認しているものはけっこうある。

ここでワイが引っかかっているのは、「利用者さんが落ち着いている」ことと「その居室に問題がない」ことは、イコールやないという点や。

本人はよく眠っている。呼吸も静かで、体位もいつもどおり。そこだけ見れば、何も問題がないように見える。

それでも、床に何かがあることはある。

本人の状態が落ち着いているかどうかと、その部屋の環境が安全な状態かどうかは、別々に見なアカン話や。同じ「異常なし」という言葉でまとめてしまうと、片方が抜ける。

そして、抜けやすいのは環境のほうやと思う。

理由は単純で、巡視に入る時、こちらの意識が最初から利用者さんへ向いているからや。「あの人、どうしてるかな」と思いながら入る。だから視線がまっすぐベッドへ飛ぶ。

意識が一点に集中している時、その周辺は見えているようで見えていない。ベッドの上に視線を固定してしまうと、自分が立っている場所の足元は視界の外になる。

これは注意力がないという話やない。人間の見え方の問題や。だからこそ、意識して足元へ目を落とす必要がある。

居室へ入った瞬間、ワイは足元にも目を向ける

じゃあ、いつ床を見るのか。

ワイの場合は、居室に入った瞬間や。ベッドまで歩いていって、利用者さんを確認してから振り返って床を見る、という順番やない。入口を通った時点で、一度足元に目を落とす。

なんでその順番なのか。

いちばん大きいのは、そこがこれから自分が歩く場所やからや。

居室に入るということは、そのあと必ず自分が移動する。入口からベッドまで歩く。ベッドの横に立つ。場合によっては反対側へ回る。そして出ていく。

その移動を始める前に足元を見ておかへんかったら、何かがあった場合、気づくのは踏んでからということになりかねへん。

それに、夜間の居室は暗い。

寝ている人の部屋やから、当然照明は落としてある。廊下からの明かりと、手元のライトくらいしかない。日中の明るさで見るのとは、見え方がまったく違う。

暗いところで床にあるものを見つけようと思ったら、それなりに意識を向ける必要がある。「なんとなく視界に入る」では拾えへんことがある。

もう一つ言うと、入口で一度止まって足元を見るというのは、そんなに時間のかかる動作やない。一瞬や。

巡視は何部屋も回るから、一部屋あたりに何十秒もかけられへん。そういう中でも、入った時に一度目を落とすくらいなら、流れを止めずに入れられる。

だからワイは、そこを習慣にしている。ベッドへ向かう前に、足元。それから利用者さん。

見る順番を決めておくと、忙しい夜でも抜けにくくなる。

利用者さんが寝ていても、部屋の中まで問題なしとは限らない

ここが、この記事でいちばん伝えたいところの入口になる。

夜間巡視は、一定の間隔で居室へ入る仕事や。一度入って終わりやなくて、また同じ部屋へ戻ってくる。

ということは、前に入った時と、次に入った時とで、部屋の状態が変わっている可能性があるということでもある。

前回は何もなかった床に、次に入ったら何かがある。そういうことが起こり得る。

これは、利用者さん本人に何か起きたという意味とは限らへん。本人は静かに寝ているのに、床の状態だけが前回と違っている、ということもある。

だから巡視というのは、「異常があるかどうかを探す仕事」だけやないとワイは思っている。

もう一つ、次にこの人が動いた時、この部屋は危なくないかという見方がある。

今この瞬間、利用者さんは寝ている。それは事実や。けれど、そのまま朝まで一度も動かへんとは限らへん。トイレに行こうとして起きるかもしれん。何かの拍子にベッドから降りるかもしれん。

その時に、床に何かがある状態やったらどうなるか。

そこまで含めて見るのが、環境の確認やと思う。今が大丈夫かどうかだけやなくて、次に人が動いた時にどうなるか。

そして、その「何か」というのが、実際にどういうものやったのか。

ワイが床を見る癖をつけたのは、理屈から入ったわけやない。実際の夜勤で、そこにあるはずのないものを何度か見てきたからや。

ここから先は、実際に床にあったものの話になる。

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