やきんかいごの日記
この記事は、やきんかいごが介護現場で実際に体験・見聞きした出来事をもとに書いています。個人が特定されないよう、一部内容を変更・再構成しています。介護の実態をリアルにお伝えすることを目的としており、特定の施設・個人を批判する意図はありません。
この記事でわかること
- 介護現場20年の夫婦が直面する「現場の臭いと汚れ」のリアル
- 安い洗剤・高い洗剤・天然系…全部試して全部ちゃうかった理由
- 敏感肌の嫁が長年使い続けるシャンプーを、脂ギッシュなおっさんが使ったらどうなったか
- 合わんかった点も含めた、正直な使用レポート
目次
介護の仕事をしてへんひとに、ちゃんと伝わるかわからんけど──
ワイらの職場には、においがある。
「病院っぽいにおい」とか「消毒液のにおい」とかそういう清潔なやつやない。もっと根っこのほうの、人間が生きていることの、どうしようもないにおい。排泄物、体液、使い古したシーツ、昼夜を問わず漏れ出す体のあらゆるもの。それが混ざり合って、施設の壁にも床にも、そしてワイらの作業着にも染み込んでいく。
20年以上、夜勤をやり続けてきた。
嫁も同じ介護職で、職場は別やけど、おんなじような夜を生きてる。朝、ワイが夜勤から帰ると嫁が出勤前やったりして、玄関ですれ違う。そのとき、お互いのにおいが玄関にたまる。夜勤明けのワイのにおいと、出勤前の嫁のにおい。それが我が家の朝の空気や。
ロマンチックなもんとはほど遠い。でも、これがワイらの現実やから。
夜勤明けの作業着、その正体

夜勤が終わったあとの作業着を、想像してみてほしい。
1日どころか、まるっと一晩、施設のなかにおる。夜中に体位交換する。おむつを交換する。ベッドから車椅子への移乗を何度もやる。吐き戻しの処理をする。夜中に何度も起き上がってくる入居者さんに付き合う。ひとりで複数名を担当しながら、ずっと動き続ける。
朝になって着替えようとして作業着を脱いだとき、あの重さがある。汗の重さ、においの重さ、夜の重さ。
市販の洗剤で洗っても、においが残る。
柔軟剤を増やしても、においが残る。
乾かしても、なんとなく残っている気がする。
最初の頃は「気のせいやろ」って思おうとしてた。でもそれは明らかに気のせいやなかった。
電車に乗ったとき、隣のひとが少しだけ離れた気がした。スーパーに寄ったとき、自分の服から何かが漂っている感覚があった。家に帰って玄関を開けたとき、自分でも「なんかくさい」と思った。それが夜勤明けのワイの現実やった。
嫁の肌と、長年の悩み
嫁は昔から肌が弱い。
「敏感肌」っていうきれいな言い方をされることもあるけど、実態はもっとしんどい。ちょっと合わへんシャンプーを使うと頭皮がかゆくなる。洗浄力の強いやつを使うと乾燥してフケが出る。新しいものを試すたびに「これも駄目やった」ってなって、また探し直す。そのループを何年も繰り返してきた。
介護の仕事は体が資本やから、体のことには二人ともシビアになる。足腰のケアとか、睡眠のこととか、食事のこととか。でも嫁にとっては「肌」が特に切実なテーマやった。現場ではゴム手袋を一晩中使う。消毒液に頻繁に触れる。それだけで手は荒れる。頭皮まで刺激したくない、という気持ちは当然やと思う。
そうやって嫁が何年もかけてたどり着いたのが、シャボン玉石けんのEMせっけんシャンプーやった。
「肌の弱い人用」やと思ってた
最初、ワイはその商品に興味なかった。
「敏感肌向けのシャンプーやろ。ワイには関係ない」って思ってた。ワイは逆で、頭皮が脂っぽい。夜勤明けは特にひどくて、前髪がぺったりくっついて、頭全体がギトギトする感じがある。洗浄力の弱いシャンプーとか、低刺激とか、そういうのはむしろ自分には向かんやろって決めつけてた。
浴室の棚に嫁のシャンプーがある。それを横目で見ながら、ワイはずっと自分で選んだ別のやつを使ってた。「頭皮スッキリ」とか「男性用さっぱり処方」とか書いてあるやつ。
でも──ある夜勤明け、そのシャンプーを切らしてた。
夜勤から帰って、頭がギトギトで、早く風呂入りたくて、
自分のシャンプーが空っぽで、
嫁のシャンプーが目の前にあった。
「1回くらいええやろ」と思って、こっそり使った。
使ってみて、驚いた
泡立ちは、正直いって「普通のシャンプー」とはちょっと違う。モコモコのリッチな泡じゃない。どちらかというとシンプルで、少しさっぱりした泡感。「これで落ちるんかな」って最初は思った。
でも洗い流したあと、頭皮の感覚が想像と全然ちゃった。
ギトギトが、ちゃんと取れてた。
「え、普通に落ちるやん」って、浴室でひとり思った。しかも洗い上がりが不快なベタつき感じゃなくて、なんていうか、素直な頭皮の感じ。余計なもんが取れた感じ。
翌朝、頭皮のかゆみがなかった。
それまで夜勤明けの翌日は、頭皮がピリピリしたり、なんとなく荒れた感覚があった。強い洗剤で洗いすぎた後のあの感じ。でもこの日はそれがなかった。ただ、きれいに洗えた感じだけがあった。
嫁には黙って、また使った
それが最初の体験やった。
自分のシャンプーを買い直した。でも正直、頭の中に残ってた。「またあれ使おうかな」って。
しばらくして、また夜勤明けにこっそり嫁のシャンプーを使ってみた。1回目と同じく、さっぱりした洗い上がり。嫌な感じが全然ない。
ワイは脂性やから、洗浄力の強いやつじゃないと頭皮がすっきりせんと思い込んでた。でもそれは思い込みやったのかもしれん。肌に必要以上のダメージを与えへんから、逆に頭皮の状態が整うんかもしれん──そんなことを、浴室でひとり考えながら流してた。
気づいたら、ワイは自分のシャンプーを使わんようになっていた。
嫁の知らんところで、嫁のシャンプーを使い続けるようになっていた。
夫婦の現場と、肌の話
介護の現場は、肌に優しくない環境や。
消毒液、ゴム手袋、こすれ、汗、季節の変わり目の乾燥。そのなかでも頭皮は、意外と後回しにされがちな部位や。腰やひざのケアは語られることが多い。でも頭皮については、あんまり話題にならへん。
でもワイらみたいに夜勤を続けてると、睡眠のリズムが崩れる。自律神経が乱れる。そういうのは全部、頭皮にも出てくる。脂の分泌が増えたり、かゆみが出たり、フケが増えたり。嫁が敏感肌やから余計に気にしてたけど、ワイの脂っぽい頭皮かてその影響を受けてたはずや。
そんなワイらにとって、体に余計な負担をかけへんシャンプーっていうのは、思ってた以上に意味のある選択やったんかもしれない。
「敏感肌向け」が、おっさんにも合った理由
あとから調べてみると、シャボン玉石けんのEMせっけんシャンプーは、添加物をなるべく使わない処方で、石けん素地ベースで作られてる。洗浄成分がシンプルやから、必要以上に皮脂を取りすぎへん。
ワイみたいな脂性頭皮のひとが「脂を落とそう」と思って強い洗剤を使い続けると、頭皮は逆にダメージを補おうとして余計に皮脂を出す。「洗えば洗うほどギトギトする」という悪循環は、そこから来てるらしい。
シンプルな成分で、必要な分だけ落とす。それが結果的に、敏感肌にも脂性肌にも、どちらにも合う理由なんかもしれん。
ワイはまあ、そんな理屈を後から知っただけやけど。最初に感じたのはもっとシンプルで、「夜勤明けのギトギト頭でも、ちゃんとさっぱりした」ということだけやった。
まだ嫁には言ってへん
今も嫁はこれを使ってる。長年愛用してる。
ワイはこっそり使い続けてる。自分のシャンプーを補充する量が、なんとなく減ってきてる。
嫁が「なんかシャンプーの減り、はやない?」と言うたとき、ワイは「そうかな?」とだけ答えた。
そのうち白状するかもしれんけど、今のところは内緒のまま使い続けることにしてる。
肌の弱い嫁のために選んだシャンプーが、
脂ギッシュな夜勤明けのおっさんにも普通に合った。
それだけのことやけど、
それが意外と、大事なことを教えてくれた気がしてる。
安い洗剤が「最初から答えやなかった」話
介護の仕事を始めた頃、ワイはドラッグストアで一番安いシャンプーを買ってた。
理由は単純で、「どうせ現場で汗かいて臭くなるんやから、安いやつで十分やろ」という考え方やった。高いもん使う意味ないやろ、と。
でも20年経って気づいたことがある。
ワイは「安いもの」を使い続けることで、頭皮に対して何をしてたんやろ、と。
当時使ってた系統のシャンプーは、洗浄力が強かった。泡立ちがよくて、洗った瞬間は「さっぱりした」感じがする。でも乾かしてしばらく経つと、頭皮がなんとなくかゆかった。フケが出ることもあった。洗いすぎて乾燥してるのか、それとも何か他に原因があるのか、当時のワイにはわからんかった。
ただ「現場の汚れがひどいんやから、強く洗うのは当たり前や」と思い込んでた。
強く洗わんと、落ちへん。
落とすためには強いやつが要る。
そう思ってた。ずっと、20年くらい。
「現場の汚れ」とはなにか
介護の現場のにおいや汚れを、外のひとに説明するのは難しい。
「排泄物の処理」と一言で言っても、それがどういうことかは、やったことがないひとには伝わりにくい。ワイは伝わらんでもええと思ってる。伝わらんくていい現実っていうのもある。
ただ、これだけは言うておく。
ワイらが一晩で触れるものの種類と量は、普通の生活では想像できないくらい多い。
体位交換の際に体に触れる。おむつ交換で汚れに触れる。移乗でシーツや衣類に触れる。吐き戻しや流涎(よだれ)の処理をする。傷の手当てをする。口腔ケアをする。夜中に目が覚めて興奮している利用者さんを落ち着かせながら体に触れる。それが10名以上、一晩中続く。
ゴム手袋をするとはいっても、袖口や首元、顔の周辺には手袋がない。ふとした瞬間に、目に見えないものが飛んでくることがある。においが服に染み込む。頭にまでにおいがつく感覚がある。
「気のせいや」と思いたくても、帰宅して着替えたとき、脱いだ作業着が教えてくれる。においは、ちゃんとそこにある。
20年前と今で変わったこと、変わらんこと
ワイが介護の仕事を始めた頃と比べて、現場の環境はいろいろ変わった。
使い捨て手袋の品質が上がった。消臭・抗菌の設備が入っている施設も増えた。おむつや吸水パッドの性能も格段に良くなった。昔は「これどないするんや」って思うような状況でも、今は対応できる用品が揃ってることが多い。
道具は進化した。
でも、変わらんものもある。
人間の体から出るもの、そのものは変わらん。
においの根っこは、20年前もいまも同じや。
そしてワイらの体が、それを受け取り続けているのも変わらん。
むしろ体の方が、20年分だけ疲れた。
20代の頃は夜勤明けでも「シャワー浴びたらすっきり」で済んでた。体の回復力が違うから、ある程度の荒っぽい洗い方をしても翌日にはリセットされてた。
でも40代になると、そうはいかん。
夜勤明けにシャワーを浴びて寝て、次の日の朝に起きたとき、なんとなく頭がまだ重い。頭皮がなんとなくピリピリしてる気がする。皮脂が多い日と少ない日の差が激しくなった気がする。年齢のせいなのか、洗剤のせいなのか、睡眠のリズムが乱れてるせいなのか、全部かさなってるのか、正直わからん。
ただ、体が「今のやり方でええんか」と言ってきてる感じは、確かにあった。
嫁の肌が崩れたとき
ある時期、嫁の頭皮がひどい状態になったことがあった。
きっかけは節約のためにドラッグストアの特売シャンプーに変えたことやった。「どうせ変わらんやろ」ということで、ワイが「これ安かったで」と買って帰ったやつ。
2週間も経たんうちに、嫁の頭皮が荒れてきた。
かゆい、と言うてた。フケが増えた、と言うてた。夜勤中にマスクの内側が蒸れてかゆいのに、頭皮もかゆくて、仕事中ずっとしんどかった、と言うてた。
介護の現場では、衛生管理の問題もある。頭皮が荒れてフケが出る状態で利用者さんに接するのは、気持ちの上でもしんどい。「清潔でありたい」という気持ちと、「肌がしんどい」という現実がぶつかる。
嫁はそのとき、ちゃんと怒った。
「せっかくええのん使ってたのに、なんで変えんねん」って。
そこでワイは初めて、嫁がどれだけ長くシャボン玉石けんのシャンプーを使い続けてたか、そしてそれがどれだけ大事なものやったかを、ちゃんと理解した。
においの話をもう少し
介護職のにおい問題は、外からは見えにくいしんどさがある。
仕事が終わって電車に乗るとき、人混みの中に入るとき、ワイは自分のにおいを気にする。意識しすぎかもしれんけど、それでも気になる。夜勤明けの服のにおいは、普通の汗のにおいとは少し違う。説明が難しいけど、「施設のにおいが染み込んだ汗のにおい」とでも言うか。
洗濯してもにおいが完全には落ちへんことがある。
それは洗剤の問題だけやない。繊維の奥に染み込んだにおいは、一度の洗濯ではなかなか取れん。介護職がにおい対策に神経を使うのは、それなりの理由がある。
体のにおいも、頭のにおいも、仕事と切り離せない。介護の「業」は、家まで連れて帰ってくる。
夫婦の生活が蝕まれていく感覚
これはちょっとリアルな話になるけど、書いておく。
夜勤を続けていると、夫婦の時間がほとんどない。
ワイが夜勤から帰る頃には、嫁がちょうど出勤する。嫁が帰ってきた頃には、ワイが次の夜勤の準備をしてる。二人でゆっくり食卓を囲む時間が、週に一度あるかないか。
そのわずかな時間に、せめて清潔でいたい。
においがしない、頭皮が荒れてない、肌が落ち着いてる、そういう「普通の状態」でいたい。それは贅沢な望みやなくて、仕事で消耗した体に対する、最低限の敬意みたいなもんやと思う。
現場で頑張ってる自分たちの体に、
せめて家に帰ったときだけは、
余計な負担をかけたくない。
それがワイらにとって、シャンプーを選ぶ理由になってた。
「洗えばええ」やなかった
現場の汚れを落とすために「強く洗う」という発想は、長い間ワイの中にあった。でも20年経って思う。
それは間違いやったかもしれん。
現場でボロボロになった体に、さらに刺激の強いものを乗せていた。疲れた頭皮を、毎晩強い洗浄成分でこすり続けていた。「さっぱりした感じ」を追いかけながら、じわじわと体を消耗させていた。
嫁が何年も前から選んでいたのは、そういう発想とは逆のものやった。
余計なことをしない。必要なぶんだけ落とす。体に積み重なった負担を、さらに増やさない。
介護職の体は、毎日削れていく。
腰も、膝も、精神も、肌も。
せめて洗うものだけでも、体に合うものを選んでええんやないか。
そんな当たり前のことに、ワイは20年かかって気づいた。
ワイはこれまでに、数え切れないくらいシャンプーを試してきた。
安いやつ、高いやつ、男性用、育毛系、頭皮ケア特化と書いてあるやつ、テレビCMでやってるやつ、職場の同僚に「これよかったで」と勧められたやつ。それなりにちゃんと選んでたつもりやった。
でも正直に言う。
全部、どこかで「ちゃうな」ってなった。
ドラッグストアの安いやつ:洗えてるのに、荒れた
20代の頃から長く使ってたのは、ドラッグストアで100〜200円台で買えるシャンプーや。
洗浄力は確かにある。泡立ちがええし、洗い上がりは「すっきりした感じ」がする。コスパも悪くない。毎月の出費を考えたら、一番ラクな選択肢やった。
でも使い続けるうちに、気になることが出てきた。
頭皮がかゆい日が増えてきた。夜勤明けで疲れてる日に洗うと、翌日の朝にピリピリする。乾燥してるのかと思って保湿系のリンスを足してみても、なんか根本的に解決してる感じがしない。
当時は「夜勤で疲れてるせいや」「睡眠不足のせいや」と思ってた。でも今考えると、洗剤が頭皮に合ってへんかっただけかもしれん。
- 泡立ち ◎ よく泡立つ
- 洗浄力 ◎ 脂もしっかり落ちる感覚
- 洗い上がり △ さっぱりしすぎて翌日乾燥
- 頭皮への影響 ✕ かゆみ・フケが出やすくなった
- 継続使用 ✕ 長期使用で頭皮が荒れてきた
「男性向け頭皮ケア」系:期待して、裏切られた
30代に入ったあたりで「さすがに安いだけのやつはやめよう」と思い、ちゃんとした男性向けのシャンプーを試しはじめた。
ドラッグストアの棚で1000〜1500円くらいするやつ。「頭皮環境を整える」とか「ノンシリコン処方」とか「スカルプケア」とか、それっぽいことが書いてある。パッケージもちゃんとしてる。成分表もなんか複雑で、「ええもん入ってそう」という雰囲気がある。
最初の1週間は「おっ、ちゃうな」と思った。
洗い上がりがさっぱりして、においもなんかクリアな感じがする。「これや、これがワイの求めてたやつや」と思った。
でも1ヶ月経った頃から、頭皮がなんとなくべたつきはじめた。
「頭皮を守ろうとして、逆に余計なもんが残ってる」みたいな感覚。リンスもセットで使ってたから、そのコーティング成分が積み重なってるのかもしれんかった。フケは出んようになったけど、なんとなく頭皮が重い感じがずっとする。
「ええものを使ってるのに、なんかしっくりこない」
この感覚が一番しんどかった。
高いお金出してるのに、なんかちゃうねん。
- 最初の印象 ◎ 洗い上がりが明らかにちがう
- 1ヶ月後 △ 頭皮のべたつきが気になりだす
- コスト △ 継続すると月の出費が地味に痛い
- においへの効果 △ 現場のにおいには力不足な感じ
- 長期使用 ✕ 頭皮に何かが積み重なっていく感覚
嫁との比較が、一番こたえた
ワイがいろんなシャンプーをとっかえひっかえしてる間、嫁はずっと同じシャンプーを使い続けてた。
嫁の頭皮は、荒れへん。
介護の現場で働いて、夜勤もこなして、消毒液に毎日触れて、睡眠のリズムがぐちゃぐちゃになってるのに、嫁の頭皮は安定してる。フケも出ない、かゆみの話もしない、頭皮トラブルを訴えることがほとんどない。
ある夜、ワイが「最近また頭皮がかゆい」とぼやいたとき、嫁が言うた。
「シャンプー、また変えたん?」
ワイは「いや、今度のはちゃんとしたやつやで」と答えた。
嫁は「ちゃんとしてるかどうかより、頭皮に合うかどうかやろ」と言うて、それ以上は何も言わんかった。
その一言が刺さった。
ワイはずっと「いいもの」を探してた。高い・成分が豊富・スカルプケアと書いてある。そういう「スペック」で選んでた。でも嫁が選ぶ基準は、「自分の頭皮が荒れるかどうか」だけやった。シンプルで、正しかった。
「天然成分」系が合わんかった話もある
男性向け高価格帯に疲れたあと、「成分をシンプルにしよう」と思ってオーガニック系や天然成分を謳ったシャンプーも試した時期があった。
ハーブエキス配合、植物由来洗浄成分、ノンシリコンでナチュラル、みたいな方向性のやつ。価格は1500円から2000円くらい。見た目も素朴でええ感じ、という雰囲気の商品やった。
使ってみると、洗い上がりが「しっとり」する。これはこれで悪くない、と最初は思った。
ただ、ワイみたいな脂性頭皮には合わんかった。「しっとり」が「べたつき」になってしまう。夜勤明けのギトギトした頭皮に、さらにしっとり感が乗っかってくる感じ。朝洗ったのに昼には油が浮いてきてる気がする。
天然由来やからといって、自分の頭皮に合うとは限らん。そんな当たり前のことを、また一個経験として積み上げた。
においに効くと謳った製品が、一番きつかった
ある時期、においに特化した商品を試したことがある。
「介護職・医療職の方にも」というような訴求文句が書いてあって、消臭成分が配合されてるやつ。ワイみたいな立場の人間がターゲットやと思って買った。
洗った直後のにおいは確かにクリアやった。消臭というか、強い香りでにおいを上書きしてる感じ。
でも問題はそのあとやった。
3日ほど使ったら、頭皮に小さな湿疹みたいなんが出てきた。かゆい。触ると少し痛い。「これはあかん」と思ってすぐやめた。
消臭のために強い成分が入ってて、それが頭皮に合わんかったんやと思う。においを消そうとして、余計なダメージを受けた。
においを消したくて強いものを使う。
頭皮が荒れる。荒れた頭皮は皮脂をよけいに出す。
においが余計に気になるようになる。
また強いものを使う──
この悪循環に、ワイは何年もはまっていた。
夜勤明けの浴室で、気づいたこと
ある夜勤明けのことを覚えてる。
朝の6時過ぎに帰ってきて、体がずっしり重くて、頭皮がなんとなくかゆくて、風呂場に入ったとき、シャンプーのボトルを手に取りながら「これ、また変えようかな」と思った。
でもそのとき、嫁のシャンプーが棚にあった。
第1弾でも書いたけど、ワイはそこで初めてちゃんと手に取った。「どうせ敏感肌向けやろ」という先入観を、その朝は一旦置いといた。疲れてたし、考えるのが面倒くさかった。ただもう、今日はこれでええや、という気持ちで使った。
洗い終わって、頭皮の感覚が違った。
「さっぱりした」というより、「余計なことをされへんかった」という感じ。脂は落ちてる。でも頭皮が怒ってない。そういう感覚。
翌日の朝、かゆくなかった。
それだけのことが、ワイには衝撃やった。
ワイが試した全部と、嫁の選択の間にあったもの
ワイはこれまで、「洗えてるかどうか」「においが消えてるかどうか」「成分がいいかどうか」という基準でシャンプーを選んできた。
嫁はそのどれも基準にしてなかった。
嫁の基準は「頭皮がおかしくならへんかどうか」だけやった。使い続けて、荒れへん。それが全てやった。
ワイが何年もかけて辿り着いた「合わへん」という経験の積み重ねは、嫁がとっくに通り過ぎた道やった。嫁はもうずっと前に、その答えを出してた。
「いいもの」を探し続けたワイと、
「合うもの」を使い続けた嫁。
20年かけて、嫁の正しさが証明された。
正式に「自分のもの」にした日
ワイが最初にシャボン玉石けんのEMせっけんシャンプーを使ったのは、嫁のボトルをこっそり拝借したのが始まりやった。
それが半年ほど続いた。嫁には黙って、嫁のボトルから少しずつ使わせてもらいながら、「やっぱりこれが自分にも合う」という確信を積み重ねていった。
正式に自分用のボトルを買い始めたのは、嫁がシャンプーを使い切って新しいのを注文しようとしたときに、ワイが「二本頼んでくれ」と言うたのがきっかけやった。
嫁は「……あんた、使ってたん?」と言うた。
ワイは「まあ、ちょっとな」と答えた。
嫁は呆れた顔をしてたけど、それ以上は何も言わんかった。それがワイにとっての「公式スタート」になった。今から約1年前のことや。
使い始めてから、変わったこと
使用歴でいうと、こっそり使い始めた期間を含めると1年半ほどになる。自分用のボトルを買い始めてからは約1年。嫁はもう何年も使い続けてる。
一番最初に「変わったな」と感じたのは、翌日の頭皮の状態やった。
これまで使ってきたシャンプーでは、夜勤明けに洗って寝て、翌朝起きると頭皮がピリピリしてることがあった。洗いすぎた反動か、乾燥してるのか、とにかくなんかしんどい感じ。
でもEMせっけんシャンプーに変えてから、その「翌日のしんどさ」がなくなった。洗い上がった夜は「なんかさっぱりした」という感覚があって、翌朝は頭皮が落ち着いてる。その繰り返しが続くことで、頭皮全体の状態が安定してきた気がする。
夜勤明けに洗う。
頭皮が怒らへん。
翌日、かゆくない。
それだけのことが、ワイには革命やった。
嫁の変化と、夫婦で使い続ける理由
嫁はこのシャンプーを、5年以上使い続けている。
嫁が「このシャンプーにしてよかった」と言うてたのは、頭皮トラブルがほぼなくなったからや。それまでは市販のいろいろを試すたびに「またかゆくなった」「またフケが出た」を繰り返してた。このシャンプーに切り替えてから、そういう話を聞かんようになった。
嫁は職場での消毒や手荒れ対策にも敏感で、体に触れるものをなるべくシンプルなものにしたい、という考え方がある。このシャンプーは無添加処方で、成分をあえて絞っている。その「引き算の姿勢」が、嫁の肌には合ってるんやと思う。
ワイの場合は逆の入り口やった。脂性で、においが気になって、強い洗浄力のものを求めてた。でもこのシャンプーで「シンプルに洗う」ことを続けたら、頭皮が過剰に皮脂を出さんようになってきた気がする。
介護夫婦という同じ条件で、正反対の肌タイプのふたりが、同じシャンプーを使い続けてる。それがこの商品の、ワイにとって一番の説得力やと思う。
正直に言う、合わんかった点も
ええことばかり書いてもアレなんで、ちゃんと書く。
最初の1〜2週間は、ちょっと「物足りない」感じがあった。
泡がそんなに立たへん。洗ってる最中の「さっぱり感」がそれまでのシャンプーより少ない。市販の洗浄力が強いシャンプーに慣れた頭皮が、「今日ちゃんと洗えたんか?」と不安になる感じ。
これは慣れの問題やと今は思う。頭皮が「強く洗われる」ことに慣れすぎてると、適切な洗い方を「物足りない」と感じてしまう。2週間ほど使い続けたら、その違和感は消えた。
もう一点。石けん素地ベースやから、使用する水の硬度によっては泡立ちや洗い上がりに差が出るらしい。ワイの地域では特に問題なかったけど、硬水の地域では感覚が違うかもしれん。
「最初の2週間だけ、我慢」。これだけ覚えといてほしい。
PRODUCT INFO 使用レポート
シャボン玉石けん
EMせっけんシャンプー
- 使用者 夜勤介護マン(脂性頭皮)、嫁(敏感肌・長年使用)
- 使用期間 ワイ:約1年半(自分用購入から約1年)/嫁:5年以上継続中
- 使用場面 夜勤明けの帰宅後、日常の入浴時
- よかった点 翌日の頭皮荒れがなくなった。脂性でも過剰な皮脂が落ち着いてきた。夫婦どちらの肌タイプにも長期使用できる
- 合わんかった点 切り替え直後の2週間は物足りなさを感じやすい。硬水地域では泡立ちに差が出る場合あり
- 他製品との違い 「さっぱり感の強さ」ではなく「翌日の頭皮の落ち着き」で選ぶ商品。即効性より継続性で評価すべき
※Amazonアソシエイトリンクを使用しています
「現場の業」がどう変わったか
正直に言うと、シャンプーを変えたからといって夜勤明けの作業着のにおいが消えるわけやない。現場の「業」は、洗い方だけでどうにかなるもんやない。
それでもワイが「変わった」と感じるのは、頭皮のコンディションが安定することで、家に帰ったあとの「リセット感」が変わったことや。
以前は、夜勤明けに帰ってシャワーを浴びても、なんとなく体が「まだ現場に残ってる」感じがした。頭皮がかゆい、乾燥してる、なんかしんどい、という小さな不快感が積み重なって、体のスイッチが切れへんかった。
今は違う。
洗い終わったあとに、頭皮がただ「きれいになった」という感覚だけがある。余計なことをされてへん。ただ、汚れが落ちた。それだけ。
現場で削られた体に、
さらに余計な負担をかけるのをやめた。
それだけで、帰宅後の自分が少し変わった。
嫁も「最近あんた、頭皮のこと言わんくなったな」と言うてた。ワイは「そうやな」とだけ答えたけど、内心では「そうやろ、お前のシャンプーのおかげや」と思ってた。
これが「救済チケット」やと思う理由
大げさな言い方かもしれんけど、ワイにとってこれは救済チケットやった。
安い洗剤で頭皮を荒らし続けた10年。高い成分に期待して裏切られた数年。においを消そうとして湿疹まで出した失敗。その全部の終わりに、嫁がずっと使い続けてたシンプルなシャンプーがあった。
派手な効果をうたってへん。劇的に何かが変わるわけやない。「余計なことをしない」という地味な一点を、何年も続けてくれるだけ。
でもそれこそが、介護という「削られ続ける仕事」をしてる人間に、一番必要なことやったんやと思う。
毎日削られてる介護職の体に、
シャンプーくらいは味方でいてほしい。
余計なことをせず、ただ汚れを落として、頭皮を怒らせへん。
それだけのことが、こんなに難しかった。
このシャンプーは、それをずっとやってくれてる。
敏感肌の嫁が何年も使い続けてる安心感。脂ギッシュなおっさんのワイが、夜勤明けに使っても荒れへん事実。夫婦ふたりとも、今もこれを使い続けてる。
頭皮に悩んでる介護職の方に、これ以上ない信頼感で勧められる一本や。
おわりに
肌の弱い嫁のために選んだシャンプーやった。
でも気づけば、脂ギッシュなおっさんのワイまで手放せなくなっていた。