夜勤介護マンの日記

介護現場で感じたことを、体験ベースで書いています

【介護現場】AEDは「心臓が止まった時」に使うんじゃない

※これは20年以上の介護現場経験をもとにした内容です。医学的な診断・治療については専門医にご相談ください。
※特定の個人・施設を否定する意図はありません。
※見出し画像は内容をもとにしたイメージ画像です。

 

AEDって何やろ

AEDという言葉、今では駅や学校、商業施設でもよく見かけるようになった。でも「実際に何をする機械なのか」をちゃんと説明できる人は、意外と少ないかもしれへん。

AEDは「自動体外式除細動器」の略や。心臓が突然けいれんしたように細かく震えて、正常に血液を送れなくなった状態(心室細動)を、電気ショックで正常なリズムに戻すための機械や。

心臓が止まった時に使うイメージを持っている人が多いけど、正確には「心臓が止まった」ではなく「心臓がけいれんしている状態」に対して使うものや。胸骨圧迫(心臓マッサージ)と組み合わせることで、救命の可能性が大きく上がる。

いつから一般に普及したんやろ

AED自体は1960年代にアメリカで開発された技術が起源やけど、日本で一般市民が使えるようになったのは2004年のことや。それまでは医師や救急隊員など、医療従事者しか使用できなかった。

2004年に厚生労働省が一般市民によるAED使用を認めてから、全国の公共施設や学校、駅、スポーツ施設などへの設置が一気に進んだ。

約20年前まで、一般人はAEDに触れることすら許されていなかった。それが今では街中のあちこちで見かけるようになったんやから、大きな変化やと思う。

使い方は機械が全部教えてくれる

AEDの大きな特徴は、電源を入れると音声で操作手順を全部案内してくれることや。医療の知識がなくても使えるように設計されている。

基本的な流れはこうなる。まず電源ボタンを押す。次にパッドを胸に貼る。機械が自動で心臓の状態を解析して、電気ショックが必要かどうかを判断する。必要な場合はショックボタンを押すよう指示が出る。必要でない場合はそのまま胸骨圧迫を続けるよう案内される。

大事なのは、AEDが「ショックが必要ない」と判断した場合は電気が流れない仕組みになっているということや。だから「間違って使ってしまったらどうしよう」という心配はしなくていい。使わない方がリスクが高い。

ペースメーカーが入っている人への注意点

介護現場では特に知っておきたいのが、ペースメーカーを植え込んでいる利用者さんへの対応や。

ペースメーカーは胸の左側、鎖骨の下あたりに植え込まれていることが多い。皮膚の上から触るとふくらみがわかることもある。

AEDのパッドを貼る際、ペースメーカーの真上に貼ってしまうと、電気ショックの効果が弱まったり、ペースメーカー本体にダメージを与える可能性がある。そのため、ペースメーカーの植え込み部位から少なくとも3〜4センチ以上離してパッドを貼ることが大切や。

パッドを貼る位置は通常、右胸の鎖骨下と左脇腹の2か所や。ペースメーカーが左胸にある場合は、左側のパッドを脇腹寄りにずらして貼るようにする。

いざという時に慌てへんよう、担当している利用者さんにペースメーカーが入っているかどうかを日頃から把握しておくことが、現場では大切になってくる。

介護現場とAED

介護施設では、利用者さんが突然倒れる場面が起きることがある。心疾患を抱えている方も多いし、高齢になるほど心停止のリスクは上がる。

ワイも現場で急変対応を経験してきたけど、いざという時に「AEDがどこにあるか」「どう使うか」が頭に入っているかどうかで、動き方が全然変わってくる。

研修で習ったとしても、実際に使う場面になると頭が真っ白になることがある。だからこそ定期的に場所を確認して、手順を頭に入れておくことが大切やと感じてきた。

心停止から時間が経つほど、救える可能性は下がる

心停止後、何もしなければ1分ごとに救命率が約10%下がると言われている。救急車が到着するまで平均8〜9分かかることを考えると、その場にいる人間が動けるかどうかが生死を分けることになる。

AEDと胸骨圧迫を組み合わせることで、何もしない場合と比べて救命率が大きく変わってくる。

「自分には関係ない」ではなく、「自分が使う場面が来るかもしれへん」という意識を持っておくことが、誰かの命を救うことにつながる。