※これは20年以上の介護現場経験をもとにした内容です。医学的な診断・治療については専門医にご相談ください。
※特定の個人・施設を否定する意図はありません。
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脳血管性認知症って何やろ
認知症の種類の中で、アルツハイマー型・レビー小体型と並んでよく見られるのが脳血管性認知症や。
名前の通り、脳の血管が原因で起こる認知症やと思ってもらえるとわかりやすい。脳梗塞や脳出血などで脳の血管が詰まったり破れたりすると、その部分の神経細胞に血液が届かなくなる。血液が届かへん細胞は死んでしまう。その積み重ねで、認知機能が低下していく。
アルツハイマー型が「じわじわと進む」のに対して、脳血管性は「脳の血管で何かが起きるたびに、階段を下りるように悪化する」のが大きな特徴や。
どんな症状が出てくるんやろ
脳血管性認知症の症状は、脳のどの部分がダメージを受けたかによって大きく変わってくる。それが他の認知症と大きく違うところやと思う。
例えば、記憶はしっかりしてるのに言葉が出にくくなる人もいれば、言葉は出るのに手足が動かしにくい人もいる。「この人、なんかバラバラな感じがする」と思ったら、脳血管性のことがある。
よく見られる症状をまとめるとこうなる。記憶障害はあるけどアルツハイマーほど目立たへんことが多い。歩行障害や手足のしびれなど、身体症状が伴うことがある。感情のコントロールが難しくなって、急に泣いたり怒ったりする「感情失禁」が出ることもある。また、調子のいい時間と悪い時間にムラが出やすいのも特徴や。
「さっきまで普通に話してたのに、急に別人みたいになった」という場面は、脳血管性でもよく起きる。
危険なのは「小さな発作」の積み重ね
脳血管性認知症で特に気をつけんといかんのが、目に見えにくい小さな脳梗塞の積み重ねや。
「ラクナ梗塞」と呼ばれる小さな詰まりが脳の深い部分に少しずつ起きていくことがある。一回一回は症状が出にくいくらい小さくても、それが何度も繰り返されることで認知機能がじわじわと落ちていく。
本人も家族も「なんか最近おかしい気がするけど、まあ年やから」と流してしまいやすい。現場でもそういうケースを何度も見てきた。
薬はどんなものがあるんやろ
脳血管性認知症には、アルツハイマー型のような「認知症そのものに効く薬」は今のところ確立されていない。ただ、原因となる脳血管の病気を防ぐための薬が中心になる。
よく使われるのが抗血小板薬や。アスピリンやクロピドグレルといった薬で、血液が固まりやすくなるのを防いで、脳梗塞の再発を予防する目的で使われる。
血圧が高いことが脳血管のダメージにつながりやすいため、降圧薬で血圧をコントロールすることも重要や。コレステロールや血糖値の管理も同じ理由で大切になってくる。
また、認知症の症状に対してアルツハイマー型と同じようにドネペジル(商品名:アリセプト)が使われることもある。
脳血管性認知症の薬の基本は「これ以上悪化させない」こと。進行を止めるために、血管を守ることが最優先になる。
現場で感じた「身体管理の大切さ」
介護の現場で脳血管性の利用者さんに関わっていて、一番感じたのは身体管理の重要さやった。
血圧が高い日が続いてるな、足がむくんでるな、表情がいつもと違うな。そういう小さな変化を見逃さないことが、次の発作を防ぐことにつながる。
介護職は医療の専門家やないけど、毎日関わってるからこそ気づける変化がある。「なんかいつもと違う」という感覚を大事にして、看護師や医師につなぐことが現場の役割やと思ってきた。
防げる認知症でもある
脳血管性認知症は、原因となる脳梗塞や脳出血を防ぐことができれば、発症や進行を抑えられる可能性がある認知症や。
生活習慣病の管理、血圧のコントロール、禁煙、適度な運動。地味に聞こえるけど、これが一番の予防になる。
「認知症は防げない」と思っている人に、脳血管性だけは違うと伝えたい。日々の積み重ねが、脳を守ることにつながっている。