この記事は、夜勤介護マンが介護現場で実際に体験・見聞きした出来事をもとに書いています。個人が特定されないよう、一部内容を変更・再構成しています。介護の実態をリアルにお伝えすることを目的としており、特定の施設・個人を批判する意図はありません。
介護の現実 — 夜勤の小話
夜中に聞こえた「パン、パン」の
正体が、まさかすぎた。
介護現場は毎晩同じようでいて、同じ夜はひとつもない。
▷ この記事でわかること
- 夜勤中に廊下の奥から聞こえてきた「パン、パン」という謎の音
- 見に行って判明した、その音のまさかの正体
- 「ええ音するやろ〜」という、思わず笑ってしまった一言
- 一晩中続くこともある行動と、翌朝のちょっとした心配
- 予想外の出来事も「その人なりの過ごし方」という、夜勤の景色
夜勤って、静かに見えて、ふいに「予想外」がやってくる。
今日書くのは、ある夜に聞こえてきた、ちょっと笑ける音の話や。
重い話ばっかりやと、こっちもしんどくなるからな。
たまには、こういう和む夜の話も書かせてや。
夜中の「パン、パン」

夜勤中、詰所で記録を書いていると——廊下の奥の部屋から、「パン、パン」と音が聞こえてきた。
最初は、誰かが手を叩いているのかと思った。
ただ、夜中にそんな音が続くのは珍しい。「何やろ」と思って、様子を見に行った。
夜勤をしてると、音には敏感になる。
物が落ちる音、人が動く音、コールの音——音の一つひとつに、「何かあったか?」と反応する。
この「パン、パン」も、確かめに行かなあかん音やった。
まさかの正体
部屋に入ると——利用者のおばあさんが、オムツを外して、自分のお尻を叩いていた。
……お尻やった。
手を叩いていると思っていた音の正体が、まさかのお尻。
予想外すぎて、一瞬、理解が追いつかなかった。
「パン、パン」の正体が、まさかそれとは。誰が想像できるやろか。
「ええ音するやろ〜」
思わず理由を聞くと、おばあさんは、にっこりしながら一言。
「ええ音するやろ〜」
その言い方が、あまりにも自然で。しかも、少し嬉しそうやった。
思わず、こっちも笑いそうになった。
怒る気にも、止める気にも、すぐにはなれへんかった。
だって、本人がこんなに満足げに「ええ音するやろ〜」と言うてるんやから。
その表情の、なんとも言えん可愛らしさに、ワイの方が和んでしもた。
一晩中「パン、パン」
しかも、その行動は、一度では終わらへん。
夜によっては何度も繰り返し、ひどいときには、一晩中「パン、パン」と音が続くこともあった。
止めても、少しすると、また始まる。
本人にとっては、楽しいのか、落ち着くのか。その理由は、はっきりしない。
でも、その姿はどこか可愛らしくて、怒るより先に、和んでしまうこともあった。
ただ——その代わり、朝になると眠そうにしている。
朝食の時間になっても目が開かず、「眠たい」と言って、食事が進まないこともあった。
そこだけは、少し心配になる。夜に「パン、パン」してた分、朝はぐったりや。
まあ、夜中にあれだけええ音を鳴らしてたら、そら眠たいわな。
同じ夜は、ひとつもない
夜勤は静かに見えて、実際はこういう予想外の出来事が、ふいに起こる。
そして、そのひとつひとつが、その人なりの過ごし方なんやと思う。
「お尻を叩く」のも、傍から見たら不思議な行動やけど、本人にとっては、何か心地よかったり、落ち着いたりするんかもしれへん。
それを頭ごなしに止めるんやなく、「この人は今、こういう時間を過ごしてるんやな」と受け止める。それも、夜勤の仕事の一つや。
介護現場は、毎晩同じようでいて、同じ夜はひとつもない。
重い夜もあれば、こうして和む夜もある。
しんどいことばっかりやないんやで、というのも、現場のリアルや。
でもな——この婆ちゃん、滅茶苦茶可愛いねんな。
「ええ音するやろ〜」のあの顔は、今でも思い出すと、ちょっと笑ってまうわ。
夜勤で「予想外」に出くわした経験がある人、現場のクスッとする話が好きな人——この記事で、ちょっとでも肩の力が抜けたなら、夜勤明けにこれを書いてる甲斐があるってもんや。
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